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 この判例集は,公刊物,雑誌,最高裁判所HP,兵庫県弁護士会消費者問題判例検索システム,消費者契約法に関心のある方々からの情報提供等により,消費者契約法に関連する判例を集め,一覧にしたものです。記載内容については正確を期しているつもりですが,これを保証するものではありません。詳しくは原典にあたるなどして確認をしてください。
 掲載内容について,誤り等を見つけられた場合には,当法律事務所までご一報いただければ幸いです。
 また,消費者契約法に関するこんな判例を見つけた,あるいはこんな判例を獲得した!という方は,是非情報を提供していただきたく,よろしくお願いいたします。

◆ H14.07.19大阪地裁判決

判決年月日: 2002年7月19日
2010年5月16日 公開

平成13年(ワ)第9030号損害賠償請求事件
最高裁HP(別紙略)
,判例タイムズ1114号73頁,金融商事判例1162号32頁,NBL761号77頁,消費者法ニュース57号
裁判官 曳野久男
確定

【事案の概要】
中古車販売の解約において車両価格の15%の損害賠償金と作業実費を請求するとの条項に基づき,販売会社が支払いを求めて提訴したのに対し,消費者が,本件では「平均的な損害」が発生していないと主張した。

【判断の内容】
① 「平均的な損害の額」(9条1号)の立証責任について,同法が消費者を保護することを目的とする法律であること,消費者側からは事業者にどのような損 害が生じ得るのか容易には把握しがたいこと,損害が生じていないという消極的事実の立証は困難であることなどに照らし事業者側が負うとした。
② 注文から2日後の撤回であること等から損害が発生しうるものとは認められないとして販売会社の請求を棄却した。

◆ H14.03.25東京地裁判決

判決年月日: 2002年3月25日
2010年5月16日 公開

平成14年(レ)第12号営業保証料請求控訴事件
判例タイムズ1117号289頁,1149号73頁,金融商事判例1152号36頁,私法判例リマークス27号38頁,NBL753号72頁
裁判官 難波孝一,足立正佳,笹川ユキコ
上告

【事案の概要】
パーティーの予約を解約すると営業保証料として一律1人当たり5,229円徴収すると定めた規約は,「平均的損害」を超える請求であるとして,消費者が,平均的な損害を超える請求を不服と主張した。

【判断の内容】
① 「平均的損害」は,契約の類型毎に合理的な算出根拠に基づき算出された平均値であり,解除の事由,時期の他,当該契約の特殊性,逸失利益,準備費用・ 利益率等の損害の内容,契約の代替可能性・変更ないし転用可能性等の損害の生じる蓋然性等の事情に照らして判断するのが相当,とした。
② その上で,民事訴訟法248条を適用して「平均的損害」を認定した。

◆ H14.03.12神戸簡裁判決

判決年月日: 2002年3月12日
2010年5月16日 公開

平成13年(ハ)第2302号入所費等返還請求事件
兵庫県弁護士会HP,消費者法ニュース60号211頁
裁判官 福富昌昭
控訴後確定

【事案の概要】
歌手志望で俳優等養成所に入所直後,思っていたものと違うとして不実告知等による取消等を主張し,支払済費用の返還を求めた。

【判断の内容】
3ヶ月後の月謝の値上げを告げなかったことが不利益事実の不告知(4条2項)に該当するとして取消を認めた。

◆ H13.11.29札幌簡裁判決

判決年月日: 2001年11月29日
2001年11月29日 公開

平成13年(ハ)第5333号和解金請求事件
消費者法ニュース60号211頁
確定,欠席判決

【事案の概要】
平成11年2月に借り入れた20万円の返済についての平成13年6月にした和解契約(遅延損害金年率 26.28%)に基づく事業者からの貸金返還請求訴訟。

【判断の内容】
遅延損害金の率を9条2号により年14.6%に制限した。

◆ H13.07.18川越簡裁判決

判決年月日: 2001年7月18日
2001年7月18日 公開

平成13年(少コ)第30号入会金請求事件
消費者法ニュース60号66頁
裁判官 池田聡介

【事案の概要】
事業者からの旅行情報提供サービス会員の入会金請求訴訟に対し,消費者が支払方法につき不実告知等による取消を主張した。

【判断の内容】
① 事業者の説明内容の評価について,1条の趣旨から,事業者の専門的な常識を前提に個々の説明の意味内容を確定することは妥当ではなく,当該契約時の状況を基礎として平均的な消費者を基準にして評価すべきものであるとした。
② その上で,事業者の説明内容について,サラ金からの借入が条件であるのに,自社割賦であるかのような説明内容であったとして,不実告知による取消を認めた。

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