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 この判例集は,公刊物,雑誌,最高裁判所HP,兵庫県弁護士会消費者問題判例検索システム,消費者契約法に関心のある方々からの情報提供等により,消費者契約法に関連する判例を集め,一覧にしたものです。記載内容については正確を期しているつもりですが,これを保証するものではありません。詳しくは原典にあたるなどして確認をしてください。
 掲載内容について,誤り等を見つけられた場合には,当法律事務所までご一報いただければ幸いです。
 また,消費者契約法に関するこんな判例を見つけた,あるいはこんな判例を獲得した!という方は,是非情報を提供していただきたく,よろしくお願いいたします。

◆ H17.04.28横浜地裁判決

判決年月日: 2005年4月28日
2010年5月27日 公開

平成14年(ワ)第3573号,平成15年(ワ)第1179号,第3452号不当利得返還請求事件
判例時報1903号111頁,金融商事判例1225号41頁
裁判官 河邉義典,太田雅之,小林元二

【事案の概要】
学納金の返還を求めた。

【判断の内容】
入学金の法的性質について,「学生としての地位」の対価(推薦入学の場合は推薦合格の対価としての性質も併有)とし,現実にその地位を取得するのは4月1 日であるから,それ以前に入学を辞退した場合には返還すべきとし,不返還条項については,平均的損害を超える部分について返還すべきとした。
平均的損害の主張立証責任は原告にあるとしつつ,立証が困難であることから,民事訴訟法248条により損害を認定した(入学事務手続のための費用として徴収している『諸経費』と同等額と認定)。
授業料については,返還すべきとした。

◆ H17.04.22大阪高裁判決

判決年月日: 2005年4月22日
2014年3月23日 公開

平成16年(ネ)第1083号学納金返還請求控訴事件
民集60巻9号3698頁,ウエストロー・ジャパン
上告審 H18.11.27最高裁判決(5)

【事案の概要】
 学納金返還請求。①在学契約及び学納金の法的性格,入学辞退の法的効果,②在学契約に消費者契約法が一般的に適用されるか,③本件特約が9条1号により無効となるか,本件特約が10条により無効となるか,等が争われた。入学手続要綱等に「入学式を無断欠席した場合には入学を辞退したものと見なす」などの記載があった。

【判断の内容】
① 学生からの在学契約解消については民法651条の類推適用を認め,同条1項により,いつでも在学契約を将来に向かって解除することができるものと解するのが相当であり,学生からの入学辞退の意思表示はこの在学契約解除の意思表示と理解するのが相当。
② 授業料等の不返還を定める部分は,9条1号に当たる。
③ 平均的損害の額の立証責任は,消費者が負う。
④ 3月31日までに在学契約を解除した場合,授業料部分は平均的な損害を超えるものとなる。
⑤ 4月1日以降に在学契約を解除した場合,学部・学科の授業内容,定員数,発生すると考えられる損害の内容,等の事情を考慮し,大学,各部,学科ごとに,20万円から30万円の範囲で平均的損害を算定した。
⑥ 本件特約には10条は適用されない。

◆ H17.04.20大阪地裁判決

判決年月日: 2005年4月20日
2010年5月27日 公開

平成16年(ワ)第10347号敷金返還請求事件
兵庫県弁護士会HP,消費者法ニュース64号213頁
裁判官 横山光雄

【事案の概要】
敷金の80%(40万円)を差し引く敷引特約は10条により無効であるとして返還を求めた。

【判断の内容】
本件敷引特約の趣旨を通常損耗部分の補修費に充てるものであるとして,敷金の額,敷引の額,賃料額,賃貸物件の広さ,賃貸借契約期間等を総合考慮して,敷 引額が適正額の範囲内では本件敷引特約は有効とし,超える部分は無効として,本件では2割(10万円)の敷引は有効とした。

◆ H17.03.30東京高裁判決

判決年月日: 2005年3月30日
2010年5月27日 公開

平成16年(ネ)第3109号不当利得返還請求事件
未登載
第1審 H16.04.30東京地裁判決
上告審 H18.11.27最高裁判決(6)

【事案の概要】
大学の入学試験に合格し,学納金を納付した後に入学を辞退し,民法又は9条1号,10条により学納金の返還を求めた。

【判断の内容】
① 消費者契約法施行以前の契約については返還義務を否定した。
② 入学金については,「入学資格を得た対価」として返還義務を否定した。
③ 原審の平均的損害額であることの主張立証責任は事業者が負うという部分は削除され,消費者にあるとされた。
④ 消費者契約法施行後の授業料を返還しないとの特約は9条1号により無効であるとして返還を命じた。ただし,原告のうち4月1日以降の入学辞退者については,授業料の返還を否定した。

◆ H17.03.25京都地裁判決

判決年月日: 2005年3月25日
2010年5月27日 公開

平成16年(ワ)第1622号学納金返還請求事件
未登載
裁判官 楠本新

【事案の概要】
入学金35万円,運営協力金35万円の合計70万円の学納金の返還を求めた。

【判断の内容】
本件納付金(入学金,運営協力金)の法的性質について,募集要項と過去5年間の決算内容を検討し,結局学校は本件納付金を経常的な運営費として取り扱って いることが明らかとし,入学者に負担させるべきであり,入学辞退者に負担させるには特段の事情が必要であるとして,入学辞退者が生ずることにより空きが増 えることは特段の事情には当たらないとして,10条により不返還条項を無効とした。

◆ H17.03.25佐野簡裁判決

判決年月日: 2005年3月25日
2010年5月27日 公開

平成16年(ハ)第150号敷金返還等請求事件
特優賃住宅敷金返還訴訟(HP)
裁判官 畑山明則

【事案の概要】
敷金返還請求に対し,賃貸人は,自然損耗部分も賃借人の負担とするという原状回復特約を主張した。

【判断の内容】
本件原状回復特約について,自然損耗部分については賃貸人の負担とするのが合理的意思であり,これに反する内容で合意したとの特段の事情が窺われないの で,賃借人の意思を欠き無効とした。また,消費者契約法施行前の契約であっても,施行後に更新されている場合には同法の適用があるとし,本件原状回復特約 は10条により無効であるから,いずれにせよ自然損耗部分についての返還請求を認めるべきとした。

◆ H17.03.17札幌地裁判決

判決年月日: 2005年3月17日
2010年5月27日 公開

平成15年(ワ)第2657号立替金請求事件
消費者法ニュース64号209頁,国セン報道発表資料HP2006年10月6日
裁判官 氏本厚司

【事案の概要】
高齢の女性が宝石貴金属販売会社の従業員からホテルでの展示会に連れ出され,帰宅したいと告げたにもかかわらず勧誘を続けられやむなくネックレスを購入し,クレジット契約を締結させられた。信販会社からの立替金請求に対し,4条3項2号(退去妨害)による取消を主張した。

【判断の内容】
①販売店が信販会社との立替払契約について顧客を勧誘することを委託することは5条1項の委託にあたる。
②顧客が,販売店従業員に対し,帰宅したいと告げたにもかかわらず勧誘を続けられ,困惑してネックレスの購入,立替払契約を締結させられたとして,4条3項2号により,立替払契約の取消を認めた。

◆ H17.03.15東京地裁判決

判決年月日: 2005年3月15日
2014年3月23日 公開

平成16年(ワ)第13205号貸金請求本訴,不当利得返還等請求反訴事件
判例時報1913号91頁,ウエストロー・ジャパン
裁判官 工藤正

【事案の概要】
 特定の法律事務所の弁護士らが主体となり、報酬を得る目的で、業として、債務整理を受任した依頼者のうちから大手消費者金融業者甲に対して不当利得返還請求権を有している不特定多数の者から甲に対して貸金債務を負担している不特定多数の者に同請求権を譲渡させ、これらの権利実現を訴訟等の手段を用いて実行している場合において、このような債権譲渡は、公序良俗に反し無効であるとされた事例。
 金銭消費貸借契約の債務不履行に基づく返済債務に関する債務弁済契約における賠償額の予定の定めには、利息制限法4条が適用されるか、消費者契約法9条2号が適用されるかが争われた。

【判断の内容】
 11条2項は、「消費者契約の条項の効力について民法及び商法以外の他の法律に別段の定めがあるときは、その定めるところによる。」と規定しているところ、利息制限法が、消費貸借契約の場合における相当な利得の利率及び遅延損害金の割合の上限を定めることを目的としていることに鑑み、「金銭を目的とする消費貸借上の債務の不履行による賠償額の予定」については、利息制限法の規定が優先して適用されるものと解するのが相当である。そして、このことは、「金銭を目的とする消費貸借上の債務の不履行による賠償額の予定」についての和解契約についても同様であると解するのが相当である。

◆ H17.03.10東京地裁判決

判決年月日: 2005年3月10日
2010年5月27日 公開

平成15年(ワ)第18148号
LLI
裁判官 小池裕

【事案の概要】
高齢者に対する床下換気扇等の点検商法について,販売店に対して原状回復を,信販会社に対して債務不存在確認を求めた。

【判断の内容】
① 4条1項1号にいう重要事項は,商品自体の品質や性能,対価等のほか,本件建物への本件商品の設置の必要性,相当性等が含まれるものと解すべきである。
② 科学的な水分測定がなされた訳ではなく,「床下がかなり湿っているため,家が危ない」という趣旨の説明を誤信したもので,設置された換気扇の本来的な 機能を発揮しておらず,工事の必要性も相当性も認められないから,これがあるとして説明した行為は不実告知(4条1項1号)に当たり,取り消しうる。
③ 1回払いの立替であったとしても,信義則上相当と認められる特段の事情がある場合には抗弁を対抗できるというべきであり,本件は特段の事情がある。

◆ H17.03.10東京高裁判決

判決年月日: 2005年3月10日
2010年5月27日 公開

未登載
第一審 H16.03.30東京地裁判決
上告審 H18.11.27最高裁判決(1)
差戻審 H19.05.23東京高裁判決

【事案の概要】
大学合格後,入学を辞退した受験生が,前納した入学金及び授業料等の返還を求めた。

【判断の内容】
消費者契約法施行以前の契約については返還義務を否定した。授業料を返還しないとの特約は9条1号により無効であるとして返還を命じた。但し,原告のうち 4月1日以降に辞退を申し出た者については,授業料の返還を否定した。入学金については「入学資格を得た対価」として返還義務を否定した。



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