【レイアウトの手動変更】

レイアウトの種類は目安です。
【レイアウト】と【文字サイズ】を変更し、最適な閲覧環境でご覧ください。


PC・タブレット横に最適
タブレット縦に最適
ファブレット・スマホ横に最適
スマホ縦に最適
※設定は90日間有効です。
×

「2013年」アーカイブ|消費者契約法判例集

◆ H24.02.16東京高裁判決

判決年月日: 2012年2月16日

平成23年(ネ)第5197号保険金請求控訴事件
ウエストロー・ジャパン
裁判官 園尾隆司 櫻井佐英 吉田尚弘

【事案の概要】
 被保険者が自殺したことによる保険金請求。無催告失効特約が10条違反かが争われた。

【判断の内容】
 本件無催告執行特約は、その要件として,保険料支払期限後1か月の猶予期間を設け,その間になお支払がない場合に失効するものとしていること,保険料の払込みがないまま猶予期間を経過しても,保険契約者からあらかじめ反対の申出がなく,かつ,猶予期間満了の日の解約返戻金が未払込みの保険料相当額を超えているときは,猶予期間満了の日に積立金から保険料が払い込まれたものとして取り扱うものとされている。また,保険契約が失効した日から3年以内であれば,保険契約者は,保険者の承諾を得て,失効期間に対応する保険料を払い込むことにより,保険契約を復活させることができる措置が用意されており,保険料の不払が生じたときは,その旨及び猶予期間内に保険料の支払がなければ一定の日に保険契約が失効する旨の葉書を保険契約者に送付することとされている。
 上記の無催告失効条項は,上記の関連条項全体の中で考察すると,保険契約に係る大量の事務を合理的に処理することを目的として,保険者と保険契約者の利害得失を考慮して定められたものであると認められ,これが消費者である保険契約者に一方的に不利益であるということはできないから,この条項について消費者契約法10条に規定する無効事由があるものということはできない。

◆ H24.02.03東京地裁判決

判決年月日: 2012年2月 3日

国セン発表情報(2013年11月21日公表)

【事案の概要】
 建物の賃貸人である原告が、賃借人である被告Y1及び連帯保証人である被告Y2に対し、未払賃料等の支払いを求めた。被告らは、本件建物の他の居室について賃料の値下げがあったにもかかわらず、これを隠して被告Y1との間で本件賃貸借契約を締結しており、これは法4条2項に違反する行為であると主張した。

【判断の内容】
 原告が、被告Y1に対し、本件建物の居室の賃料が一律であると説明するなどして、被告Y1に利益となる旨を告げたことは認められないから、法4条2項の不利益事実の不告知による取消しは認められない。また、原告が、被告Y1に対し、他の居室の賃料額を説明しなかったからといって、それが被告Y1に対する不法行為であるとはいえない。本件賃貸借契約が無効あるいは取消し得るものとはいえない以上、被告Y1に他の居室の賃料額との差額分の不当利得返還請求権が生ずるともいえないとして、原告の請求を認容した。

◆ H24.02.01東京地裁判決

判決年月日: 2012年2月 1日

平成23年(ワ)第948号保険金請求事件
ウエストロー・ジャパン
裁判官 篠田賢治

【事案の概要】
 原告株式会社の代表取締役であったCを被保険者とする保険契約を被告との間で締結していた原告が、Cの死亡により、死亡保険金の支払を求めたところ、被告が、本件契約は、保険料未払のため本件約款の無催告失効条項により失効した後、原告の申込みにより復活したものであり、復活後1年以内のCの自殺は保険金支払免責事由に当たる旨主張したのに対し、さらに原告が、本件失効条項は、継続的契約の本質及び消費者契約法の精神に鑑み、信義則違反及び公序良俗違反により無効であるなどとして争った事案。

【判断の内容】
 以下の理由から、消費者契約法の適用、類推適用を否定した。
① 本件保険契約は平成13年4月1日より前に締結されているから、消費者契約法の適用はない。
② 原告は法人であり、2条1項に規定する「消費者」にあたらないから、消費者契約法の適用はない。
③ 原告と被告との間に情報及び交渉力に格差があることは十分にうかがわれるが、原告の組織の実態等からも類推適用することはできない。
④ 仮に、本件保険契約につき消費者契約法が類推適用されるとしても、10条の類推適用の可否の問題となるが、本件失効条項は,保険契約者の保護の観点、保険契約者のモラル・ハザードを防止する必要の点から、合理性があり、保険契約者に有利な内容も含まれており、これらの事情からすると,原告と被告との間に情報の質及び量並びに交渉力の格差があるとしても、消費者の利益を一方的に害するものとはいえない。

◆ H24.01.31東京地裁判決

判決年月日: 2012年1月31日

平成22年(ワ)第34752号慰謝料等請求事件
ウエストロー・ジャパン、国セン発表情報(2013年11月21日公表)
裁判官 上田哲

【事案の概要】
 旅行業者である被告との間で旅行契約を締結して被告主催のツアーに参加した原告らが、クルーズ船において割り当てられた客室が身体障害者仕様の海の見えない客室であったことが被告の債務不履行又は消費者契約法4条4項1号所定の「重要事項」に係る説明義務違反の不法行為を構成すると主張して、被告に対し、損害賠償を求めた事案。

【判断の内容】
 以下のように判断し、請求を棄却した。
① 「重要事項」(4条4項1号)とは,当該消費者契約の目的となるものの質,用途その他の内容等であって消費者の当該消費者契約を締結するか否かについての判断に通常影響を及ぼすべきものをいうところ,この「消費者の・・・判断に通常影響を及ぼすべきもの」とは,契約締結の時点の社会通念に照らし,当該消費者契約を締結しようとする一般平均的な消費者が当該消費者契約を締結するか否かについて,その判断を左右すると客観的に考えられるような,当該消費者契約についての基本的事項,換言すれば,通常予見される契約の目的に照らし,一般平均的な消費者が当該消費者契約の締結について合理的な意思形成を行う上で通常認識することが必要とされる重要なものをいうと解される。
② 本件の事情からは、「バルコニー付スタンダード」中に本件船室が含まれていることが,一般平均的な消費者が旅行契約の締結について合理的な意思形成を行う上で通常認識することが必要とされる重要なものであるとはいえないから,「重要事項」に当たるとはいえないし,その他,信義則等の一般原則に照らしても,本件契約の締結に際し,被告が原告ら主張のような説明義務を負っていたとは認められない。

◆ H24.01.25東京地裁判決

判決年月日: 2012年1月25日

平成22年(ワ)第17665号、第38763号サイト制作代金等請求事件(本訴)、(反訴)
ウエストロー・ジャパン
裁判官 秋元健一

【事案の概要】
 原告が、被告会社との間でインターネットサイト制作等の委託契約を締結したとして、被告会社に対し、代金等の支払を求めるとともに、被告会社の代表取締役である被告Y2に対し、同Y2に金銭を貸し付けた又は同Y2が被告会社の原告に対する金銭債務を引き受けたとして、金員の支払を求めた事案。

【判断の内容】
 被告会社に対する請求を一部認める一方で、被告代表取締役に対する請求については、債務引受契約の成立を認めつつ、遅延損害金利率については消費者契約法所定の制限利率の範囲内である約定の年14.6%に制限して認めた(明示はないが9条2号を適用したものと思われる。)。

«前の5件 1  2  3  4  5  6  7  8  9  10  11


ひとつ前のページにもどる弁護士法人 近江法律事務所|トップページにもどる