◆ H25.01.15大阪地裁判決
判決年月日: 2013年1月15日
2013年11月23日 公開
平成22年(ワ)第16686号不当利得返還等請求事件
証券取引被害判例セレクト44巻197頁、国セン発表情報(2013年11月21日公表)
裁判官 髙浪晶子
【事案の概要】
会社代表者である原告が、被告証券会社からEB債を購入したことにつき、被告に対して、選択的に、債券の購入契約は錯誤無効であるとして不当利得返還請求及び不法行為に基づく損害賠償を請求し、また、被告担当者の勧誘が消費者契約法4条1項1号、2号及び4条2項に該当するとして、不当利得返還請求及び不法行為に基づく損害賠償を請求し、さらに、被告担当者の勧誘が適合性原則違反及び説明義務違反に該当するとして、不法行為に基づく損害賠償を請求した。
【判断の内容】
原告が会社の代表取締役であり、会社において社債発行の経験があったこと、株式の現物取引等の経験があること、金融資産を有していることなどを理由に適合性原則違反については否定し、錯誤無効、消費者契約法の断定的判断の提供、不実告知、不利益事実の不告知についても否定した。説明義務違反につき、被告担当者の勧誘を全体としてみれば、本件債券の実際のリスクに比してリスクが小さいかのような印象を与えるものであり、流動性リスクと相まった信用リスクの存在についての注意喚起としては不十分であったとして、これを認めた。(過失相殺8割)