◆ H24.02.16東京地裁判決
判決年月日: 2012年2月16日
2013年11月23日 公開
【事案の概要】
原告が、被告との間で継続的に金銭の借入、弁済を行ったことにつき、その取引について利息制限法の引直計算を行った結果、最終取引日において過払金が生じているとして不当利得の返還を請求した。なお、原告と被告は、極度額借入契約に基づく債権債務がないことを相互に確認する旨の和解契約を締結したが、原告は本件和解契約について錯誤無効、法4条2項による取消しを主張した。
【判断の内容】
本件和解契約に関し、錯誤無効は認められない。本件和解契約は被告から勧誘されて締結されたものではなく、契約締結の際、被告担当者としては本件取引について過払金を算定し、これを原告に告知すべき法律上の義務があるとはいえないから、結果的に多額の過払金が発生していたとしても、これを原告に告げなかったことが重要事項について原告の不利益となる事実を故意に告げなかった場合に該当するとはいえない。よって、本件和解契約の無効または取消しは認められないとした。原告の主張は、本件和解契約締結後に判明した、原告が被告に対して過払金返還請求権を有するという事実を前提とするものであるところ、その権利は、本件和解契約によって消滅したことになるとして、原告の請求を棄却した。