◆ H24.11.20京都地裁判決
判決年月日: 2012年11月20日
2012年11月20日 公開
平成23年(ワ)第146号解除料条項使用差止請求事件
最高裁HP、消費者庁HP(PDF)、判決写し(PDF、京都消費者契約ネットワークHP)、判例時報2169号68頁、判例タイムズ1389号340頁
裁判官 杉江佳治、小堀悟、畦地英稔
適格消費者団体 京都消費者契約ネットワーク
事業者 ソフトバンクモバイル株式会社
控訴審 H25.07.11大阪高裁判決
【事案の概要】
適格消費者団体が,電気通信事業等を営む事業者に対して,2年間の契約期間の定めのある携帯電話通信契約を中途解約する際に解除料として9975円の支払義務があることを定める条項が消費者契約法9条1号・10条に反するとして同条項の使用の差止めを求めたもの。
【判断の内容】
① 契約の主要な目的や物品又は役務等の対価それ自体(いわゆる中心条項)については,契約自由の原則が最も強く働くものであるから,消費者と事業者との格差が存在することを踏まえても,当事者の合意に委ねるべきであり,公序良俗違反となるような例外的な場合に民法によって無効とされることがあるにとどまり,法9条及び10条は適用されない。
中心条項に該当するか否かについては,当該条項の文言,契約全体での位置づけ及び当事者の意思などを総合的に考慮して決すべき。
本件解除料条項は中心条項にはあたらない。
② 本件契約の平均的損害を算定するためには,逸失利益も考慮に入れるべきであるところ、本件解除料の額は平均的損害を超えることはないので、9条1号に反しない。
③ 本件当初解除料条項及び本件更新後解除料条項はいずれも10条に反しない。