◆ H24.03.16最高裁判決
平成22年(受)第332号 生命保険契約存在確認請求事件
最高裁HP、最高裁判所民事判例集第66巻5号2216頁、裁判所時報1552号153頁、判例タイムズ1370号115頁、金融・商事判例1395号14頁、金融・商事判例1389号14頁、判例時報2149号135頁、判例時報2169号153頁、金融法務事情1948号75頁、金融法務事情1943号76頁、国セン発表情報(2012年11月1日公表)、国センHP(消費者問題の判例集)
裁判官 須藤正彦 古田佑紀 竹内行夫 千葉勝美
第1審 H20.12.04横浜地裁判決
控訴審 H21.09.30東京高裁判決
差戻審 H24.10.25東京高裁判決
【事案の概要】
保険料の払込みがされない場合に履行の催告なしに生命保険契約が失効する旨を定める約款の条項の,消費者契約法10条にいう「民法第1条第2項に規定する基本原則に反して消費者の利益を一方的に害するもの」該当性
【判断の内容】
生命保険契約に適用される約款中の保険料の払込みがされない場合に履行の催告なしに保険契約が失効する旨を定める条項は,(1)これが,保険料が払込期限内に払い込まれず,かつ,その後1か月の猶予期間の間にも保険料支払債務の不履行が解消されない場合に,初めて保険契約が失効する旨を明確に定めるものであり,(2)上記約款に,払い込むべき保険料等の額が解約返戻金の額を超えないときは,自動的に保険会社が保険契約者に保険料相当額を貸し付けて保険契約を有効に存続させる旨の条項が置かれており,(3)保険会社が,保険契約の締結当時,上記債務の不履行があった場合に契約失効前に保険契約者に対して保険料払込みの督促を行う実務上の運用を確実にしているときは,消費者契約法10条にいう「民法第1条第2項に規定する基本原則に反して消費者の利益を一方的に害するもの」に当たらない。
(反対意見がある。)