◆ H20.12.24東京高裁判決
判決年月日: 2008年12月24日
2011年11月11日 公開
国セン報道発表資料(2011年11月11日公表)
原審 H20.07.29東京地裁判決
【事案の概要】
オペラを鑑賞した控訴人が、上演において、実際にオーケストラの指揮を執ったのがパンフレット等で宣伝されていた指揮者ではなく、格下の指揮者に変更されたことにつき、公演主催者及び公演協賛者らの被控訴人に対して、鑑賞契約上の債務不履行、指揮者という重要事項に関し事実と異なる告知がされたとして、消費者契約法4条1項の取消事由があり、更に不法行為にも当たるとして、損害賠償請求又は不当利得返還請求を求めた。
【判断の内容】
チラシやパンフレットにやむを得ない事情により指揮者の交代があり得る旨も併せて表示されていたのであるから、本件契約の締 結にあたり、本件公演の主催者たる被控訴人らが重要事項について事実と異なることを告げたとはいえないことは明らかである。したがって、消費者契約法4条1項により取り消すことはできないし、 被控訴人らに不当利得及び不法行為が成立する余地はないというべきであるとして、控訴人の請求を失当とする原判決は相当である として、控訴を棄却した。