◆ H22.12.22京都地裁判決
判決年月日: 2010年12月22日
2011年2月6日 公開
平成21年(ワ)第4691号更新料返還請求事件
未登載
裁判官 橋本眞一
【事案の概要】
建物賃貸借契約の更新料の返還請求。消費者契約法施行前の契約が施行後に更新された事案で、消費者契約法の適用があるかも争われた。
【判断の内容】
次の理由から、返還請求を認めた。
① 賃貸借契約において,目的物を使用収益できる期間は契約の重要な要素であって,本件契約の契約期間も明記されているから,その期間の満了により契約関係は一旦終了し,本件更新料特約に基づいて,本件賃貸借契約を2年間更新する(契約期間を2年間として再契約する)旨の黙示の意思表示がされたものと認めるのが相当。
② 更新料の法的性質について、更新拒絶権放棄の対価、賃借権強化の対価、賃料の補充のいずれも否定。
③ 10条前段、後段要件を満たす。
④ 契約の核心的な合意内容については当事者間の自由に委ねるべきであるから消費者契約法の規制にはなじまないとの被告の主張については、本件更新料の法的性質を合理的に説明することができない以上,自由意思による合意の前提を欠いており採用できない。