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「2010年」アーカイブ|消費者契約法判例集

◆ H16.01.14神戸地裁判決

判決年月日: 2004年1月14日

未登載

【事案の概要】
大学合格後,入学を辞退した受験生が,前納した入学金及び授業料等の返還を求めた。

【判断の内容】
授業料を返還しないとの特約は9条1号により無効であるとして返還を命じた。入学金については「入学資格を得た対価」として返還義務を否定した。

◆ H16.01.09大阪簡裁判決

判決年月日: 2004年1月 9日

国民生活2007年1月号64頁,国セン暮らしの判例集2007年1月

【事案の概要】
パソコン内職をすれば月々5万円以上の収入になるといわれて教材をクレジットで購入したが,その収入が稼げなかったため4条1項1号等により立替払契約の取り消し,クレジット会社に既払い金の返還を求めた。

【判断の内容】
4条2項により立替払契約の取消しを認め,クレジット会社に対し代金の返還を命じた。

◆ H16.01.08大阪地裁判決

判決年月日: 2004年1月 8日

未登載

【事案の概要】
大学合格後,入学を辞退した受験生が,前納した入学金及び授業料等の返還を求めた。

【判断の内容】
授業料を返還しないとの特約は9条1号により無効であるとして返還を命じた。但し,原告のうち4月1日以降の入学辞退者については,授業料の返還を否定した。入学金については「入学資格を得た対価」として返還義務を否定した。

◆ H16.12.20東京地裁判決

判決年月日: 2004年12月20日

平成14年(ワ)第20658号,第24250号,第28684号不当利得返還請求事件
判例タイムズ1194号184頁
裁判官 野山宏,酒井正史,出口亜衣子

【事案の概要】
大学の入学試験に合格し,学納金を納付した後に入学を辞退し,民法又は9条1号,10条により学納金の返還を求めた。

【判断の内容】
① 消費者契約法施行以前の契約については,返還義務を否定した。
(施行後の契約について)
② 入学金は入学資格を取得するための権利金又は予約完結権の対価の性質を有するとして返還義務を否定した。
③ 授業料等入学金以外の学納金については,学校側が最終的な入学者数が定員を若干上回るように補欠・繰上含めて合格者数を定め,毎年最終の入学者数とこ れに伴う授業料収入をある程度の幅をもって予測し,これに必要な人的・物的手当を準備すると共に,人件費,物件費の支出見込額を計上していること,入学手 続完了後の入学辞退者の全体に占める比率も小さいこと等から,予測した入学者数の加減を下回ることは通常考えられず,学校側に生じる平均的な損害はないも のとして,9条1号により返還を認めた。

◆ H16.12.17大阪高裁判決

判決年月日: 2004年12月17日

平成16年(ネ)第1308号敷金返還請求控訴事件
兵庫県弁護士会HP,判例時報1894号19頁,消費者法ニュース63号92頁
裁判官 若林諒,三木昌之,島村雅之
第1審 H16.03.16京都地裁判決

【事案の概要】
賃貸マンションの解約時にクロスの汚れなどの自然損耗分の原状回復費用を借主に負担させる特約を理由に,敷金を返還しないのは違法として,家主に敷金20 万円の返還を求めた。なお,賃料には原状回復費用は含まないと定められている。

【判断の内容】
原審と同じ
通常の使用による損耗(自然損耗)の原状回復費用を借主の負担と定めた入居時の特約について,「自然損耗等による原状回復費用を賃借人に負担させること は,賃借人の目的物返還を加重するもの」であり,「契約締結にあたっての情報力及び交渉力に劣る賃借人の利益を一方的に害する」と判断し,10条に照らし て無効とし,全額返還するよう命じた(10条と民法90条との関係は特別法と一般法との関係にあたり10条により無効とされれば,民法90条により無効か 否かを判断する必要はないとした。)。なお,本件賃貸借契約は平成13年4月の消費者契約法施行前だったが,施行後に合意更新されていることから,消費者 契約法は適用できるとの判断も示した。

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