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「2010年」アーカイブ|消費者契約法判例集

◆ H18.01.30京都地裁判決

判決年月日: 2006年1月30日

平成17年(ワ)第784号不当利得返還請求事件
最高裁HP
裁判官 衣斐瑞穂
控訴審 H18.09.08大阪高裁判決

【事案の概要】
外国語会話教室において,レッスンを受講するためのレッスンポイントを事前に一括して購入することとされ,その料金は購入ポイント数が多くなればなるほど単価が安くなる制度が採用されている一方,途中解約する場合には,当初の単価ではなく,消化済みのレッスンポイントと同程度のコースの契約時単価(購入時よりも割高となる)を単価として精算することとされている約款が,特定商取引法49条2項1号イに違反して無効であるとして,精算金を請求した。教室側は,約款の合理性を主張した。

【判断の内容】
以下の理由から,精算金の返還請求を認めた。
① 本件規定は特定商取引法49条2項,同法49条7項の規制を受ける。
② 合理的な理由なく契約締結時ないし前払金の受領時に適用された単価と異なる単価を用いることは,これにより,役務受領者に対し,契約締結時ないし前払金の受領時に適用された単価を用いて精算を行う場合に比較して高額の金銭的負担を与える場合には,実質的に,役務提供事業者に特定商取引法49条2項1号が許容する金額以上の請求を認めるものであり,特定商取引法が許容しない違約金ないしこれに類する金員を請求するものであるとして,同約款規定は無効である。

◆ H18.12.28神戸地裁姫路支部判決

判決年月日: 2006年12月28日

平成17年(ワ)第633号売買代金等請求本訴事件,同第899号原状回復請求反訴事件
兵庫県弁護士会HP
裁判官 黒田豊

【事案の概要】
太陽光発電システムの勧誘につき不実告知及び不利益事実の不告知を認めた事例

【判断の内容】
当該商品を購入することによって将来生ずる経済的メリットに関する事実は,本件契約では重要事項にあたる。この点について,不実を告知し不利益事実を告知しなかったものであり,4条1項,2項,特商法9条の2により取り消すことができる。

◆ H18.12.22最高裁判決

判決年月日: 2006年12月22日

平成17年(受)第1762号学納金返還請求事件
最高裁HP,判例時報1958号69頁,判例タイムズ1232号84頁
裁判官 古田佑紀,滝井繁男,津野修,今井功,中川了滋

【事案の概要】
いわゆる鍼灸学校の入学試験に合格し,同学校との間で納付済みの授業料等を返還しない旨の特約の付された在学契約を締結した者が,入学年度の始まる数日前に同契約を解除した場合において,同特約が9条1号により無効とされた事例

【判断の内容】
"鍼灸学校であっても,在学契約の性質,学納金の性質,不返還特約の性質及び効力については,大学に関する平成18年11月27日の判例の説示が基本的に妥当する。
3月31日より前に辞退しているのであれば平均的損害は損しないのであり,不返還特約は無効である。

◆ H18.12.15大阪地裁判決

判決年月日: 2006年12月15日

平成18年(レ)第137号保証金返還請求控訴事件
未登載
裁判官 山下郁夫,横路朋生,矢野紀夫

【事案の概要】
敷金返還請求。敷引特約(45万円から30万円を差し引く)の効力が争われた。

【判断の内容】
以下の理由から,敷引特約が10条違反により無効であるとして返還請求を認めた。
① 敷引特約は,敷引をする趣旨が合理的なものと認められ,かつ,敷金契約締結の際に敷引の趣旨が賃借人に説明されて賃借人もこれを了解しているなど特段の事情のない限り,信義則に反して賃借人の利益を一方的に害すると解すべき。
② 本件では,説明がなされこれを賃借人が認識したことを認めるに足りる証拠はないから,合理性の有無を検討するまでもなく,10条違反となる。

◆ H18.11.27最高裁判決(2)

判決年月日: 2006年11月27日

平成17年(オ)第886号不当利得返還請求事件
最高裁HP,判例時報1958号61頁,判例タイムズ1232号82頁
裁判官 古田佑紀,滝井繁男,津野修,今井功,中川了滋
第一審 H15.10.23東京地裁判決(1)
控訴審 H17.02.24東京高裁判決(2)

【事案の概要】
大学合格後,入学を辞退した受験生が,前納した入学金及び授業料等の返還を求めた。

【判断の内容】
9条1号は,憲法29条に違反しない。

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