平成18年(ネ)第141号設備費用請求控訴事件
金融商事判例1313号42頁
裁判官 藤村啓,佐藤陽一,岸日出夫
【事案の概要】
顧客らがそれぞれ取得した各建物に業者があらかじめ設置しておいたLPガス消費設備及び給湯器に関して顧客らとの間で締結した各貸与契約に定められた中途 解約の場合の補償費支払に関する合意に基づき,顧客らに対し,各補償費の支払を求めた事案。同条項が9条1号にあたるか否かが争われた。
【判断の内容】
① 建物に設置された機器類が附合あるいは即時取得により建物所有者である顧客らの所有に属することとなるとした上で,補償費の支払いが機器類の売買代金の支払い又は利益調整であるとの業者の主張を排斥し,結局違約金条項と解するほかないと判断した。
② 平均的損害を超える額についても認められないとして,結局9条1号により同条項は無効であるとして,業者の請求を棄却した。