平成19年(ネ)第202号手付金返還,損害賠償請求控訴事件
判例時報2024号32頁
裁判官 丸山昌一,川野雅樹,金光健二
【事案の概要】
マンション売買契約締結後,買主が代金を支払わないために契約解除となったことから,宅建業者である売主が売買代金の2割とする違約金条項に基づき違約金を請求した事案。違約金条項が9条1号,10条に違反するか否かが問題となった。
【判断の内容】
次のように判断し,消費者契約法の適用がないとしつつ,信義則により違約金の額を制限した。
① 宅建業法38条により,違約金の額は代金の10分の2を超えてはならず,これに反する特約は無効としているから,本件違約金特約は宅建業法38条には違反しない。
② 宅建業法38条があるので,消費者契約法11条2項により,9条1号,10条は適用されない。