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「2010年5月」アーカイブ|消費者契約法判例集

◆ H16.07.05東京簡裁判決

判決年月日: 2004年7月 5日

平成16年(少コ)第325号敷金返還等請求事件
最高裁HP
裁判官 松田雅人

【事案の概要】
建物賃貸借契約を締結した賃借人が,当該賃貸借契約の始期に先立ち,賃貸人に対し,賃料・共益費1ヶ月分や敷金及び礼金等の預入金を支払うとともに当該建 物の補修を求めていたが,賃貸人がこれに応じなかったことから当該賃貸借契約の解約を申し入れ当該預入金の返還を求めたところ,解約の要件及びいったん支 払われた礼金や賃料・共益費は一切返還しない旨の約定があることから返還を拒絶された。

【判断の内容】
賃借人の都合により解約するときには解約日の3ヶ月前に書面により賃貸人に解約届けを提出しなければならず,これに従った解約をしない場合には賃料・共益 費合計額の6ヶ月分を賃貸人に保証する旨の約定及びいったん支払われた礼金や賃料・共益費は一切返還しない旨の約定は,公の秩序に関するものではないが, 著しく原告の権利を制限し,又は原告の義務を加重する条項であり10条の趣旨に照らし無効とした。

◆ H16.06.29大阪地裁判決

判決年月日: 2004年6月29日

国セン報道発表資料HP2006年10月6日

【事案の概要】
大学合格後,入学を辞退した受験生が,前納した入学金及び授業料等の返還を求めた。

【判断の内容】
授業料を返還しないとの特約は9条1号により無効であるとして返還を命じた。入学金については「入学資格を得た対価」として返還義務を否定した。

◆ H16.06.25神戸簡裁判決

判決年月日: 2004年6月25日

平成16年(ハ)第335号リース料請求事件
兵庫県弁護士会HP
裁判官 岩谷憲一

【事案の概要】
通信機器のリース契約に基づきリース会社がリース料の支払いを求めたのに対し,当該リース契約の締結に際し,リース契約の当事者ではない取扱店の従業員による勧誘が不実告知にあたるとして,リース契約の取消しを主張した。

【判断の内容】
取扱店とリース会社との密接な関係を前提に,当該従業員による勧誘が「NTTの回線がアナログからデジタルに変わります。今までの電話が使えなくなりま す。この機械を取り付けるとこれまでの電話を使うことができ,しかも電話代が安くなります。」と虚偽であったことに関し,4条1項1号によるリース契約の 取消しを認めた。

◆ H16.06.11京都地裁判決

判決年月日: 2004年6月11日

平成15年(ワ)第2138号敷金返還請求事件
兵庫県弁護士会HP,消費者法ニュース61号157頁
裁判官 福井美枝
控訴審 H17.01.28大阪高裁判決
上告審 H17.06.14最高裁第三小法廷上告申立不受理

【事案の概要】
通常の使用に伴う自然損耗分も含めて賃借人の負担で契約開始当時の原状に回復する旨の特約のある建物賃貸借契約の解約に際し,当該特約が無効であるとして敷金の返還を求めた。

【判断の内容】
原状回復の要否の判断が専ら賃貸人に委ねられていることや,賃貸人が賃借人に代わって原状回復を実施した場合に賃借人が負担すべき費用を算出する基礎とな る単価について上限の定めがないことに加え,集合住宅の賃貸借において,入居申込者は賃貸人側の作成した定型的な賃貸借契約書の契約条項の変更を求めるよ うな交渉力を有していない一方,賃貸人は将来の自然損耗による原状回復費用を予測して賃料額を決定するなどの方法を採用することが可能であることなどか ら,当該特約はその具体的内容について客観性,公平性及び明確性を欠く点において信義則に反する程度に消費者の利益を一方的に害するものとして10条によ り無効とされた。

◆ H16.06.04大阪地裁判決

判決年月日: 2004年6月 4日

未登載

【事案の概要】
大学合格後,入学を辞退した受験生が,前納した入学金及び授業料等の返還を求めた。

【判断の内容】
授業料を返還しないとの特約は9条1号により無効であるとして返還を命じた。入学金については「入学資格を得た対価」として返還義務を否定した。

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