平成15年(ハ)第267号原状回復等請求事件
消費者法ニュース60号59頁
裁判官 角南昌伸
【事案の概要】
自宅の床下に拡散送風機等を設置する請負契約の締結前,業者の従業員に対し,退去すべき旨の意思を表示したにもかかわらず退去しないことにより困惑し,そ れによって契約を締結したとして,契約を取り消すとともに,業者に対して既払い金の返還を,信販会社に対しては抗弁対抗により,債務不存在の確認を求め た。
【判断の内容】
「そのようなものは入れんでいい,必要ない。」「帰ってくれ。」「換気扇は必要ない,私らを騙しているんじゃないんか。」などと言っているにもかかわら ず,午前11時ころから午後6時30分ころまで勧誘して契約を締結したことにつき,不退去により困惑して契約を締結したものとして,請負契約の取消しを認 め,業者に対して既払い金の返還請求を,信販会社に対しては抗弁対抗を認め債務不存在を確認した。